財前法律事務所

愛知県・安城市の弁護士です。
「街弁(マチベン)」として、普通の市民の皆様が遭遇してしまう法律問題に取り組んでいます。
存在は身近、仕事は高品質がモットーです。

記事一覧(19)

家庭裁判所は愛のある裁判所?

日本初の女性法曹のうちの一人をモデルにしたNHKの朝ドラ『虎に翼』。同じ女性法曹の先輩の物語としても興味深く観ています。法律家に限らず女性なら(男性も?)「あるある!」ということが満載で、その点でも好感が持てるドラマです。さて、先週の放送では、主人公の寅ちゃんこと寅子が家庭裁判所の設立に奔走していました。その中で、滝藤賢一さん演じる多岐川が、アメリカのファミリーコートを見てこのような裁判所にしたいと思った、必要なのは愛のある裁判所だというようなことを言っていました。何でも、多岐川が見たファミリーコートには、観葉植物が置かれ、絵画が飾られ、温かい雰囲気の中で審理が行われており、それを日本で新しく設立する家庭裁判所にも導入したいのだとか。・・・・・・言われてみれば、家裁に、ある!!観葉植物と絵画が!!何気なく見ていたものに、そんな深い意味があったなんて。今では公の機関に観葉植物が置かれ絵画が飾られていることは珍しくなく、正直、それで癒やされるということはないのかもしれません。まして、岡崎の裁判所は地方裁判所と家庭裁判所が同じ建物に入っており、家庭裁判所がある2階だけが特に温かな雰囲気というわけでもない気がします。地高裁と家裁が別の建物である本庁ならともかく、支部はどこも同じようなものではないでしょうか。調停の待合室に観葉植物が置かれ、子ども向けの本が置かれているのは覚えていますが、後はどうだったかな・・・。さすがに法廷の中よりは調停室や待合室の方が柔らかい雰囲気だと私は思いますが、裁判所に初めて来る人からすれば、どちらも緊張感ある場所であることに変わりないのかもしれません。ドラマの中で、多岐川さんは、食糧管理法を守って餓死した裁判官に触れ、「法律は人が幸せになるためにある」とも言っていました。普段、私が弁護士として仕事をしていく中では、相談者や依頼者の方に「お気持ちは分かりますが法律や実務ではこうならざるを得ない」と言わねばならない場面がたくさんあります。それでも、戦後に新憲法下で家庭裁判所を設立した多岐川さんや寅ちゃん達の想いを継ぎ、家庭裁判所の事案に限らずどんな案件でも、少しでも愛のある、幸せになれる解決ができるといいなと思います。

「早く専門家に頼めばよかった」という話

財前法律事務所の弁護士の財前です。今回は、私が経験した、こんなこともあるのだなという話をします。少し前のことです。昔の傷跡の皮膚がグスグスになり、痛くなってしまいました。お医者様に診てもらう程でもないと思い、市販の強めの薬を塗って対処していました。しかし、いくら塗り続けても良くなりません。むしろ腫れ上がって悪化している気すらします。我慢できない程ではないのですが、毎日痛くて、小さいけれど強いストレスになっていました。数か月後、これくらいで病院に行くのも何か気が引けるな・・・と思いつつ、我慢できず、思い切って皮膚科を受診しました。一通り診察していただき、薬も処方していただき、問診票に私が何気なく書いた「○○という薬を塗っているが良くならない」という記載を見て、先生が一言。「○○系はダメですよ。かえって悪くなります。」・・・・・・・・・・・・えっ!?その○○系というのは強い薬として市販されているものなのですが、今回の私の症状ではかえって悪化するのだそうです。強い薬を塗り続けているのに「悪化している気すらする」じゃなくて、本当に悪化させていたのでした。先生に処方された薬を塗るようになったところ、みるみる症状は落ちついていきました。こんなことなら、さっさと皮ふ科を受診すべきだった・・・普段、私は、自分が関わる法律の分野に関しては、色々な人に事あるごとに「早く適切な専門家に相談して。その方が解決が早い。」と言い続けています。「弁護士に頼む程じゃないから」とか「弁護士に頼むとややこしくなる」という思い込みで他のところへ相談へ行き、かえって長引いてしまったという事例に接することもあります。しかし、そんな自分が、皮膚の傷に関しては、専門家へ相談せず素人知識で誤った対処をし続けた結果、どんどん悪化させていたのでした。何事も、早く専門家に依頼すべきだな、という話でした。

弁護士費用特約 対応します

弁護士費用特約とは弁護士費用特約(弁護士特約)とは、保険の特約で、自動車事故などで被害者になった場合に弁護士費用を補償する特約です。自動車保険の特約として付けている方もいらっしゃると思います。自動車事故だけではなく、日常生活の事故もカバーしている場合もあります。いざというときに弁護士費用を気にせず弁護士に交渉を依頼できますので、付けておいて損はない特約だと、私は思っています。弁護士の選び方・探し方弁護士費用特約を利用する場合、どの弁護士を選任するかは保険会社にお任せという方も多いと思います。しかし、愛知県の場合で言うと、保険会社がLAC(日弁連リーガルアクセスセンター)を通じて弁護士の選任依頼をかける場合、「名古屋地区」「西三河地区」という指定はできるようですが、例えば「安城市」「刈谷市」といった指定はできません。指定された地域で名簿に登載されている弁護士から順次担当が割り振られますので、遠方の事務所の弁護士が担当になる場合もあります。割り振られた事務所でなく他の所にしたいと保険会社に言うと、「では自分で探してください。」と言われてしまうようです。また、弁護士の選任を保険会社に任せた場合、自分でどの弁護士にするか選ぶことはできないため、場合によっては担当弁護士と相性が合わないということもあるかもしれません。このような事態を避けるためには、お近くの弁護士や、ホームページなどを見て良さそうだと思った弁護士の事務所に、「弁護士費用特約を使って相談したい」と予約するのがよいと思います。保険会社の了承があれば、費用は保険会社持ちで、かつ、ご自分に合う弁護士に依頼して交渉を進めることができます。※ 当事務所でも、弁護士費用特約のご利用が可能です。お気軽にお問い合わせください。

成年年齢引下げ ~若者の契約トラブルに注意!~

2022年4月1日、成年年齢が18歳に引き下げられました。成年年齢が引き下げられることは直前まであまり報道などがされていなかったので、このままで大丈夫かな…と個人的には心配していました。ですが、3月末から急に、報道などでもこのニュースを目にするようになり、よくご存じの方も多いと思います。今までは20歳未満の人であれば未成年者取消権を使うことができましたが、4月からは18歳、19歳の人も、未成年者であることを理由に契約を取り消すことができなくなってしまいました。私が力を入れている分野の一つが、消費者被害です。近年、「SNSで知り合った人にもうけ話があると勧められ、お金を渡してしまったが返ってこない」と言った相談が多くなっています。すぐに払えるお金がないと断ると、消費者金融で借金をするよう言われたり、ローンを組まされることもあるようです。この類の被害は、相手方のアカウントしか知らず住所氏名が分からなかったり、判明しても相手方にお金がなかったりで、被害回復ができないケースが多くあります。18歳というと、高校を卒業して大学に入ったり社会に出たりする人が多い年齢です。色々な人と出会って、新たな人間関係を広げたいと思う人も多いでしょう。コロナ禍でアルバイトがなかったり、先行きが不安だったりで、少しでもお金を増やしたいという気持ちも非常によく分かります。ですが、うっかり契約をしてしまっても、未成年者であることを理由には取り消せません。その話は本当に信じてよいのか。その人は本当に信じてよいのか。すぐに契約せずによく考えて、少しでも何かがひっかかったらその場で契約せず、持ち帰って周りの人に相談してみてください。

弁護士に相続相談をすべき場合

相続手続については,「どこに頼めばよいのか分からない」とのお声をいただきます。「弁護士に依頼する程ではないので・・・」とのお声も耳にします。相続を扱う士業としては,弁護士の他に,司法書士,税理士などがあります。司法書士は登記のスペシャリスト,税理士は税金のスペシャリストですが,相続分野に関しては弁護士業務と一部重なる部分もあると思われます。弁護士にご相談いただいた方がよいと思われるケースは,例えば次のようなものです(*個人の見解です。)。  ・ 分割協議書や相続の書類を示されたが,判子を押して良いか分からない  ・ 遺産の全体像を開示してくれない  ・ 相続人の中に音信不通の人がいる  ・ 分割方法に争いがある  ・ 遺留分,寄与分,特別受益を主張したいこれらのケースでは,相手方となる相続人と交渉をする必要があるケースが多いです。依頼者の代理人となって交渉ができるのは,法律上,弁護士だけです(司法書士の簡裁代理権など一部例外を除く)。当事務所では,まずは法律相談でお話しを伺い,ご相談のケースでは弁護士に依頼した方がよいのか,司法書士や税理士に依頼された方がよいのかもアドバイスさせていただきます。また,知り合いの司法書士や税理士を紹介可能な場合もございます。弁護士に相談すべき案件であるのに「弁護士に相談する程ではないから」と他の相談先へ行ってしまったがために,かえって解決に時間がかかってしまうこともあります。相続問題の相談先には,弁護士を選択肢の一つとしてご検討ください。